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ビジネスシーンで、必ずといっていいほど頭を悩ますのがコミュニケーションの方法。仕事である以上、関わるのは気心の知れた仲間に限りません。上司、部下、取引先、社員、パート、アルバイト、派遣社員など、さまざまな立場や勤務形態の方と接する機会も多く、なかなか思いが正確に伝わらないと思ったことはないでしょうか? 支社や部署が遠方にあり、連絡手段がメールや電話だけなら、コミュニケーションの難しさもなおさらです。
 
そこで今回は、対面でなくても相手との距離感を縮め、円滑な人間関係を築くための、明日から使えるコミュニケーションの方法を紹介します。
 
さりげない「追伸」を盛り込む
ビジネスシーンのやりとりでは、つい用件だけになってしまいがちなメール。そこにさりげなく『追伸』を盛り込んでみましょう。追伸の内容は些細なことで構いません。以下に具体例を挙げます。
 
相手がいる地域の特徴
季節や催しなど、時期によってさまざまな言い回しができ、相手を選ばないため、汎用性の高い『追伸』です。
例:「京都は紅葉の時期になりましたね。会社からの景色はいかがでしょうか?」

日常会話の延長
会議やミーティング、電話などで聞いた話題の続きを訊ねてみるやり方です。汎用性は低いですが、相手に「自分のことを気にかけてくれているんだ」と特別感を与えられる方法です。
例:「先日おっしゃっていたゴルフのスコアはいかがでしたか?」

お礼
上述の例とやや被りますが、差しさわりがなく、使いやすい「追伸」です。個人宛のメールだけでなく、複数人に向けて発信する内容でも入れることができます。気遣いを忘れないマメな人といった印象を与えられるでしょう。
 
例:「先日、お土産をくださり誠にありがとうございます。部署内でおいしくいただきました」

こうした、たった1〜2行の「追伸」を添えるだけで、書き手の思いやりや人柄が伝わり、距離をぐっと縮めることができます。
 
ほんの少しカジュアルな表現を使う
メールでのやりとり、特に形式ばった文章は、気持ちが伝わりにくいのが実状です。しかし、堅苦しい表現ばかりでは、人によっては「冷たい」「難しそうな人だ」との印象を抱くこともあります。
 
(文例)「標題の件について、貴社から頂戴した御意見は部内で検討する必要があるため、お時間を要しますことをご理解いただけますと幸いです」
 
例えば上記のような文章は、丁寧ではあるもののやや堅苦しく感じるのではないでしょうか。これでは親密なコミュニケーションが生まれないことは言うまでもありません。そうならないよう、以下のような表現を加え、印象を和らげてみましょう。
 
個別のメッセージではややカジュアルに
複数人が宛先に入っていたり、CCで目上の方や社外の取引先が入っていたりする場合は推奨できませんが、個別のメッセージでは、ややくだけた表現を使用すると、距離が縮まったような印象を与えられます。
 
どこまでカジュアルにしてよいかは相手との関係性にもよりますが、「本件→この件」「送付いただき→送っていただき」などのように、少し言葉を置き換えるだけでも構いません。
 
文の結びで、共感、同意を表す
相手が本当に自分の意見を理解してくれているかどうかは、 コミュニケーションにおいて重大な要素です。意見に同意する場合も反対する場合も、まずは「あなたの意見を理解して尊重していますよ」という姿勢を見せることが大切です。この姿勢の有無で、プロジェクトにおける合意形成が左右されると言っても過言ではありません。
 
どう表現すればいいのかわからない場合は、相手の用件を繰り返し、文末に「ですね」「ですよね」をつけるだけでも、「解ってくれているな」と感じてもらえるでしょう。
 
文体をまねる
「文体」と聞くとやや難しく思われるかもしれませんが、その方法は文章を相手の書き方に近づけてみるだけといった簡単なもの。例えば、相手が文末に「!」「?」をよく利用しているなら、同じようにあなたも記号を使ってみましょう。

さて、上記のテクニックを使って、最初に挙げた文章を書き替えてみます。
 
(文例)
「標題の件について、貴社から頂戴した御意見は部内で検討する必要があるため、お時間を要しますことをご理解いただけますと幸いです。」

(修正案1)「この件について、おっしゃっていることはごもっともですね。私もそう思いますが、一度部内で検討したいので、少々お時間をいただけますか?」
 
(修正案2)「この件について、○○さんのおっしゃることはもっともだと私も思います! ただ、一度部内で話し合い、精査いたしますので、少々お待ちください」

前者に比べ、自分らしく柔らかい表現で考えや気持ちを伝えられるようになっています。このようにちょっとしたことでメールの印象は大きく変わるもの。ぜひとも活用してみてください。

チャット形式のコミュニケーションツールを使用する
一般的に、ビジネス上のメールは、「宛先、書出し、名乗り、用件、結び、署名」が必要だとされています。
以下の例文を見てみましょう。
 
○○○○株式会社
○○○○部○○課 ○○ ○○様(宛先)
いつもお世話になっております。(書出し)
○○商事○○課の○○です。(名乗り)
先日はご連絡いただき誠にありがとうございます。
つきましては、本案件について御社での検討結果を頂戴したく連絡いたしました。
お忙しい中恐縮ではございますが、早めのご返信をいただけると幸いに存じます。(用件)
以上、恐れ入りますがなにとぞよろしくお願いします。(結び)
------------------------------
○○商事株式会社
○○部 ○○課 ○○ ○○
住所:○○○○○○○○
TEL:○○○○○○○○
Mail:○○○○○○○○
------------------------------(署名)

以上、全部で200~300文字程度のボリュームです。単に「このあいだの件、連絡ください」といった簡単な内容にもかかわらず、形式に当てはめてしまうと文字数がかなり増えることとなります。これではメールを作成する手間がかかるだけでなく、のちに内容を読み返したい時に、本文をずっとスクロールして情報を探さなければならず、業務の妨げにもなりかねません。
 
さらに、ある程度の規模の企業や会社ではこういった一般的な形式に加え、独自の「メールを書く時のルール」を定めているところもあり、これらのルールから逸脱するのは敷居が高くてできないといったケースもあります。
 
そんな時にぜひおすすめしたいのが、チャット形式のコミュニケーションツールです。社内とのコミュニケーションなど、形式よりも速さが重視される場合にメールの代わりにチャットを使うことで、コミュニケーションは断然効率的になります。メール特有の堅苦しい文章がなくなり、必要なやり取りだけに集中できるようになります。
 
「LINE WORKS」が提供するチャットは、ビジネスに必要な機能やセキュリティ対策を盛り込んでおり、企業でも安心してすぐにチャットによるコミュニケーションの改善に取り組むことができます。また、LINEのようなトーク画面やスタンプ機能はそのまま使えるので、手軽に誰でも使うことができ、チャットならではの親密感のあるやり取りができるのがポイントです。


参考:
本文は型がポイント | ビジネスメールの教科書