職場におけるコミュニケーションってなんだろう
職場におけるコミュニケーションは業務の生産性に直結します。しかし、一口にコミュニケーションとはいってもその種類は千差万別であり、その中で課題を発見することは容易なことではありません。人材・教育関連のコンサルタントを手がける株式会社アール・ティー・エフ 代表取締役の福田敦之氏によれば、「ヨコ・タテ・全社」の3つの流れに着目することが、社内コミュニケーションにおける問題発見を手助けすると言います。
「ヨコ」は、同期や同僚、職場内を指します。この流れが悪いと、重複作業や確認漏れによってチームとして仕事を進めていくスピードが鈍ったり、部門横断的なプロジェクトでは情報共有の不足により、プロジェクトが停滞するような事態に陥るかもしれません。
「タテ」は、上司・部下間、会社の経営陣と従業員間の関係を表します。この流れが滞ることで、問題発生時に組織としての対応が遅れることにも繋がりかねません。
最後の「全社」は、会社としての一体感に関わるものです。経営状況が悪化しているのに従業員の危機感が希薄だったり、コンプライアンスなどの重要事項を社員全員に正しく共有できていないようなケースが想定されます。
改善するためにできること
では、上記で述べた「ヨコ・タテ・全社」のコミュニケーションの流れを円滑にするにはどのような施策が考えられるでしょうか。
たとえば、「ヨコ」の改善としては、定期的な研修によって部門間や(主任や課長といった)同じ階層でのコミュニケーションを促進することや、より社員自身の意思を尊重した社内公募制度での人材のシャッフルが有効でしょう。
「タテ」のコミュニケーションは、重大なコンプライアンス違反などのリスクを防ぐために多くの企業が頭を悩ませている問題です。「下から上に意見を言いやすい」環境を作っていくことが対策のひとつとしてあげられ、社内SNSによって日常のコミュニケーションをより気軽なものにしようと取り組んでいる企業も多くあります。また、従業員へのアンケート調査、個別面談、チームでの昼食会などの定期イベントを作っていくことも有効かもしれません。
「全社」に関しては、地道できめ細かなコミュニケーションが求められます。最近ではICTを活用して全社的なコミュニケーションを活発化しようとする企業が増えています。例として、社長のメッセージは訓示のような従来の形式ではなく社内ブログを活用することでより親近感を持ってもらったり、グループウェアやビデオ会議システムを通じて、より効率的な情報共有を図る方法があげられます。
グループウェアが効果的
上記であげた改善方法のうち、グループウェアの活用は、社内コミュニケーションの改善に非常に効果的な方法だといえます。グループウェアにはさまざまな機能が搭載されており、「ヨコ・タテ・全社」それぞれのコミュニケーションでメリットがあります。
ヨコのコミュニケーション:外出が多く部内への情報共有を後回しにしがち
外出の多い営業部門などで発生しがちな課題として、情報共有が疎かになりがちなことがあげられます。そこで有効なのがグループウェアのチャット機能です。チャットはメールと違い、件名や過剰な挨拶を入力する必要がありません。モバイル端末を活用すれば、外出先からでも隙間時間を活用してチャットを送信することができ、情報の流通速度が劇的に改善することは間違いないでしょう。
タテのコミュニケーション:チームの状況が正しく把握できていない
チームリーダーやマネージャーが抱えがちな悩みです。営業部門と同様に、さまざまな予定に追われていることも多く、上司が今どこで何をしているのかわからないといったことは起こりがちです。そういったケースには、カレンダーの共有を行うだけで状況は大きく改善するでしょう。さらに、チャット機能を活用すれば上司と部下間の日常的なコミュニケーションのハードルをグッと下げることができます。それまで見えていなかった業務の課題や個人の悩みを把握するのに有効な方法だといえます。
全社的なコミュニケーション:全社への情報周知が行き渡らない
会社の規模が大きくなればなるほど課題となるのが全社への情報共有方法です。メールを使用したり、社内サイトに専用のページを立ち上げるのが一般的な方法です。しかし、メールは日常の連絡に埋もれて見逃され、専用の社内サイトは結局誰も見にこないように・・・といった問題は往々にして起こるものです。そこで有効なのが掲示板機能です。日常の業務コミュニケーションシステムとして活用するグループウェア上での情報共有に統一することで、社員の目に触れる機会が増え、見逃される心配も無くなるでしょう。
職場のコミュニケーションの質が低下すると、組織としての活力が失われます。これを機に、一度自社のコミュニケーションを構造化し、課題を分析してみてはいかがでしょうか。上記でご紹介したコミュニケーションの流れを理解することで、課題と改善策が見えてきます。その改善策としてグループウェアが有効であれば、導入もひとつの手かもしれませんね。
参考:
参考: